「コミュニケーション能力」を高めるにはどういった取り組みが必要か?
髙原)実は採用時にコミュニケーション力を求める会社ほど、社長や上司が部下とコミュニケーションを取れていないという
ケースが多いんです。
だから新しく採用された方もコミュニケーションが重要だと思ってくれないんです。
ですので当社では、中間管理職を教育することに力を入れています。中間管理職は上への伝達も下への教育も行わなければ
ならない、もっともコミュニケーションが必要とされるポジションです。
その中間管理職の方に、単にコミュニケーション力を使ってリーダーの役割を全うしてくれと求めるのではなく、
裁量や役割を明示してあげることが必要です。
現場にとって、「自由にやっていいよ」が一番、困ります。
会社のビジョンを明確にするだけでも従業員は自然と行動できるようになるんです。
高川)当社の経営理念にもあるのですが、「あるべき姿を見出し、あるべき姿に到達させる」のが、教育です。
大事なのは目標とゴールを決めて明確に示すこと。そのための現状把握すらできてないケースが多いんです。
宮本)教育ついて質問なのですが、私の場合は、部下を3人持つだけで精一杯です。
今後も組織図を作る上で、私の部下についても最大で3人までの部下しか持たせないようにしようと思っているのですが、
前職で800人も持っていた高原さんは本当にすごいですね。なにか秘訣はあるんですか?
髙原)まず部下を少なくするという判断は、正解です。
例えば10人の部下がいれば教育にかける時間が10分の1になりますので、少ないほうが理想なんです。
逆に多くの部下を持つ場合は、とにかく毎日部下と関わることが重要です。
部下から上がってきた問題は小さなことでもすぐに解決してあげることを意識します。
そうしたことで、部下からの信頼も上がります。部下にはとにかく現場に集中させることが必要です。
宮本)なるほど。
経営者の仕事は戦略を立て実行させることだと考えているのですが、部下が現場を一番把握してもらう環境になって
もらえば、必然と経営者は部下の話しを聞きたくなるからそういった意味でも部下と上司のコミュニケーションの改善にも
繋がるかもしれませんね。