~被災者向け~従業員の生活を補償してあげたい…
Q 令和6年能登半島地震で被災し、医院の運営が困難となりました。従業員のためにも運営ができない期間は、生活の保障をしてあげたいのですが、その場合に国から支援はあるのでしょうか?A 現在、国から従業員が災害により働けず、給料がもらえない期間の補償として下記の施策がございます。
①雇用調整助成金
②失業手当の特例措置
それぞれ、制度の概要と制度を活用するときに注意すべきポイントを紹介いたします。
【①雇用調整助成金】
-概 要-
事業が実施できない期間に、医院が従業員へ生活保障として休業手当を支給した場合に、支給した休業手当の80%が国から補償される制度です。
※雇用保険に加入されている方の制度です。
-注意点-
・従業員に支払った休業手当の80%分が国から補償されますが、残り20%分は医院の持ち出しとなるため、経営の足しになるような助成金ではありません。
・従業員に休業手当を払っている期間も、健康保険・厚生年金に加入している従業員がいる場合は、社会保険料の負担が発生します。
(現在は社会保険料の支払いは”猶予措置”が取られていますが、”免除”ではないため、後日、納める必要がございます。)
【②失業手当の特例措置】
-概 要-
①の雇用調整助成金の場合は、医院の持ち出しが必要になることや、社会保険料の負担が発生することから、人件費や福利厚生費の負担が掛かり続けます。
そこで厳しい選択ですが、従業員を一時解雇するという方法も検討する必要があります。
現在、失業手当の特例措置として、災害により一時的に離職し、医院の運営再開後に雇用が予定されていたとしても、失業手当の申請ができる…という特例がございます。
-注意点-
・失業手当を受け取るには、雇用保険に6ヶ月以上加入しているなどといった条件を満たす必要がある。そのため、雇用保険に加入していないパートの方などは解雇をしたとしても補償を受けることができないことを理解した上で判断する。
・失業手当を受け取るために、事業主がハローワークで離職票発行の手続きを受け、従業員には、失業手当の支給の認定を受けるために、ハローワークへ来所する必要がある。
・労働基準監督署へ連絡し、解雇がやむを得ないものだという認定を受ける必要がある。
・一時解雇にあたり、従業員への説明や、運営再開の際には雇い入れることを記載した書面を作成する必要がある。
各制度の確認や利用方法等について、まずはお早目に各担当窓口へ連絡をしていただき、各医院ごとに個別の事情のご説明や、その後の指示を仰ぐことをお勧めします。
雇用調整助成金を申請する場合の相談窓口
・石川労働局 職業安定部 職業対策課:TEL:076-265-4428
・能登ハローワーク(コールセンター)事業主支援
雇用調整助成金:070-4085-6281(月~金曜日(祝日除く)10時~14時)
失業手当の申請に関する相談窓口
・労働者支援 雇用保険失業給付:070-4085-6584(月~金曜日(祝日除く)10時~14時)
解雇がやむをえないものと認定を受ける場合の相談窓口
・七尾労働基準監督署(対象エリア:七尾市、羽咋市、鹿島郡、羽咋郡)
0767-52-3294
・穴水労働基準監督署(対象エリア:輪島市、珠洲市、鳳珠郡)
0768-52-1140(月~金曜日(祝日除く)11時~14時)
・その他の市区町村:店舗の所在がある労働基準監督署
-その他注意事項-
・上記に記載した情報は、2024年2月5日(月)時点の情報です。
常に最新の情報を掴んでから申請を行ってください。
・行政官庁も被災しているため、問い合わせはまず電話でお願いします。
その際、窓口が営業中かもご確認ください。
2024年02月19日 10:00