【2026年速報】石川県の最低賃金1,113円へ!業務改善助成金で設備投資|対象外でも使える助成金あり
石川労働局の審議会では、国から示された目安額56円を上回る59円の引上げで労使の意見が一致しました。
新しい最低賃金は、2026年10月3日から適用予定です。
最低賃金に近い水準で働く従業員がいる会社では、賃金の見直しとあわせて、助成金活用の準備を早めに進めることが重要です。
最低賃金の引上げは、従業員の生活を支え、人材の確保や県外流出の防止につながります。
一方で、企業にとっては人件費の増加に直結します。
特に、最低賃金に近い水準で働く従業員が多い会社では、早めの準備が必要です。
そこで検討したい制度が、令和8年度の「業務改善助成金」です。
この記事を書いた社会保険労務士
1.石川県の最低賃金はどうなる?
石川県の現在の地域別最低賃金は、時給1,054円です。
令和7年10月8日から適用されています。
令和8年度については、石川労働局の審議会で59円の引上げとなり、次の金額となる見込みです。
現在の最低賃金
1,054円
↓ 59円引上げ
2026年度の最低賃金
1,113円
2026年10月3日から適用予定
パート・アルバイトだけでなく、月給者も時間額へ換算し、改定後の最低賃金を下回らないか確認しておきましょう。
2.最低賃金引上げで会社に必要な対応
最低賃金が引き上げられた場合、最低賃金を下回る従業員の時給を改定しなければなりません。
対象になるのは、正社員だけではありません。
パート、アルバイトなどを含む、原則としてすべての労働者です。
会社では、次の項目を早めに確認しましょう。
□ 時給制の従業員の賃金
□ 月給制の従業員を時給換算した金額
□ 固定残業代を除いた基本部分の金額
□ 就業規則や賃金規程の記載
□ 雇用契約書や労働条件通知書の金額
□ 賃上げ後の年間人件費
□ 商品やサービスの価格に転嫁できるか
最低賃金の改定直前になってから確認すると、十分な対応時間を確保できないことがあります。
人件費の試算と賃金表の見直しは、今から始めることをおすすめします。
3.令和8年度の業務改善助成金とは?
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を引き上げ、生産性向上につながる設備投資などを行った中小企業を支援する制度です。
令和8年度は、主に次の2つを行う必要があります。
事業場内で最も低い賃金を、50円以上引き上げます。
生産性向上や作業時間の短縮につながる設備などを導入します。
要件を満たした場合、設備投資などにかかった費用の一部が助成されます。
助成上限額は、賃上げ額、賃上げする従業員数、事業場の規模などによって異なります。
最大で600万円となる場合があります。
4.石川県の企業が注目すべき理由
令和8年度の業務改善助成金では、申請事業場の事業場内最低賃金が、「令和8年度の地域別最低賃金未満」であることが対象要件の一つです。
石川県の新しい最低賃金は1,113円となる見込みのため、現在の事業場内最低賃金がその周辺にある事業場は、対象になる可能性があります。
1,060円から1,113円へ引き上げると、引上げ額は53円です。
そのため、ほかの要件も満たせば、50円コースを申請できる可能性があります。
ただし、対象になるかどうかは、地域別最低賃金との差額だけでは判断できません。
従業員の雇用期間、雇用保険の加入状況、過去の賃金引下げ、設備の内容なども確認が必要です。
5.令和8年度の主な変更点
変更点1 申請コースが3つになりました
令和8年度の申請コースは、次の3つです。
| コース | 必要な賃上げ額 |
|---|---|
| 50円コース | 50円以上 |
| 70円コース | 70円以上 |
| 90円コース | 90円以上 |
最低でも、時間額50円以上の賃上げが必要です。
変更点2 助成率の基準は1,050円です
| 引上げ前の事業場内最低賃金 | 助成率 |
|---|---|
| 1,050円未満 | 4/5 |
| 1,050円以上 | 3/4 |
石川県の現在の最低賃金は1,054円です。
そのため、石川県内事業場では、助成率が4分の3になります。
変更点3 対象労働者の要件が変わりました
賃上げ対象者は、原則として次の要件を満たす必要があります。
・雇用保険の被保険者であること
・雇入れから6か月を経過していること
短時間勤務などにより雇用保険へ加入していない従業員は、対象になりません。
変更点4 一般の自動車は対象外です
以前に特例対象となっていた一般の乗用車や貨物自動車は、令和8年度は原則として対象外です。
リフト付き福祉車両など、8ナンバーの特殊用途自動車は対象になります。
6.申請前に確認したい正しい手順
先に賃上げや設備導入をしないでください
申請前の賃上げや、交付決定前の設備発注・契約・納品・支払いは、助成対象外になります!
必ず、申請前に最新の交付要綱や申請マニュアルを確認してください。
基本的な流れは、次のとおりです。
↓
② 賃金引上げ計画と設備投資計画を作成する
↓
③ 労働局へ交付申請する
↓
④ 労働局から交付決定を受ける
↓
⑤ 計画に沿って賃上げと設備導入を行う
↓
⑥ 設備代金を支払い、実績を報告する
↓
⑦ 審査後に助成金を受け取る
令和8年度の申請受付は、令和8年9月1日から始まります。
申請期限は、申請事業場に適用される地域別最低賃金の発効日前日、または令和8年11月30日のいずれか早い日です。
また、地域別最低賃金の改定に合わせて賃金を引き上げる場合は、新しい最低賃金の発効日前日までに賃上げを完了する必要があります。
設備の選定や見積書の取得は、受付開始前から進めておくことが重要です。
ただし、交付決定前に発注や契約をしないようご注意ください。
7.対象となる設備の例
対象となるのは、生産性向上や作業時間の短縮につながる設備などです。
小売業・飲食業
POSレジ、セルフオーダーシステム、自動釣銭機など
製造業
加工時間を短縮する機械、包装機、計量機など
介護・福祉業
リフト付き特殊車両、介護支援機器など
顧客管理・在庫管理
顧客情報や在庫情報を一元管理するシステムなど
業務改善のための専門家活用
業務フローの見直しなどを目的としたコンサルティング
単に古い設備を同じ性能の設備へ買い替えるだけでは、対象になりません。
一般的なパソコン、スマートフォン、タブレットなども、原則として対象外です。
ただし、物価高騰等の特例要件を満たす場合は、新規導入に限り対象になる可能性があります。
8.対象になる可能性を確認
次の項目に当てはまる会社は、業務改善助成金を活用できる可能性があります。
□ 中小企業または小規模事業者である
□ 石川県内に従業員が働く事業場がある
□ 事業場内最低賃金が、令和8年度の石川県最低賃金を下回る見込みである
□ 50円以上の賃上げを検討している
□ 賃上げする従業員が雇用保険に加入している
□ 対象者を雇用してから6か月を経過している
□ 作業時間を短縮できる設備投資を検討している
□ まだ賃上げや設備の発注をしていない
一つでも判断に迷う項目がある場合は、実施前にご相談ください。
9.業務改善助成金が難しい場合は?
ここまで読んで、
「うちは最低賃金付近の従業員がいない」
「賃上げ対象にしたい人が雇用保険に入っていない」
「対象者が入社してまだ6か月経っていない」
「購入したい車両が業務改善助成金では対象にならなそう」
という会社もあると思います。
業務改善助成金が使えない=設備投資に使える助成金がない、ではありません。
次に確認していただきたいのが、「働き方改革推進支援助成金」です。
業務改善助成金は、事業場内最低賃金や賃上げ対象者の要件が非常に重要な制度です。
一方、働き方改革推進支援助成金は、労働時間の削減や年次有給休暇を取得しやすい環境整備、生産性向上などを目的として、中小企業の設備投資等を支援する制度です。
そのため、業務改善助成金では対象にならない会社でも、働き方改革推進支援助成金なら検討できるケースがあります。
10.働き方改革推進支援助成金とは?
特に検討したいのが、働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)です。
この制度は、生産性を向上させ、労働時間の削減や年次有給休暇等を取得しやすい環境整備に取り組む中小企業を支援する制度です。
こんな会社は要チェック
□ 最低賃金よりかなり高い給与を支払っている
□ 業務改善助成金を調べたが対象外だった
□ トラック、軽トラック、商用バンなどを導入したい
□ 厨房機器や製造設備を更新したい
□ 人手不足を設備投資でカバーしたい
□ 現場と会社の往復回数を減らしたい
□ 機械化によって残業時間を減らしたい
□ 従業員が休みやすい職場環境を整えたい
ポイントは、「その設備を入れることで、どれくらい作業時間や移動時間を減らせるのか」を具体的に説明できることです。
11.業務改善助成金と働き方改革推進支援助成金を比較
| 比較 | 業務改善助成金 | 働き方改革推進支援助成金 |
|---|---|---|
| 主な考え方 | 賃上げ+生産性向上 | 労働時間等の改善+生産性向上 |
| 最低賃金との関係 | 非常に重要 | 業務改善助成金とは要件が異なる |
| 給与水準が比較的高い会社 | 対象外となる場合あり | 検討できる可能性あり |
| 設備投資 | ○ | ○ |
| 車両 | 対象となる車両に注意 | 商用車等を検討できるケースあり |
| 向いている会社 | 最低賃金付近の従業員がいる会社 | 設備・車両等で労働時間を短縮したい会社 |
※実際の対象可否は、企業規模、取組内容、設備の用途、労働時間・休暇制度、申請時期その他の要件により異なります。
12.特に建設業・運送業は要チェック!車両購入に使える可能性も
働き方改革推進支援助成金では、生産性向上や労働時間短縮につながる車両・設備を検討できるケースがあります。
検討例
・トラック
・軽トラック
・商用バン(ハイエースなど)
・ダンプ
・重機
・厨房機器
・製造機器
・除雪機 など
例えば建設業で、現在の車両では一度に資材を運べず、会社と現場を何度も往復している場合。
より積載量の大きな車両を導入して往復回数を減らすことができれば、
という形で、働き方改革につながる設備投資として説明しやすくなります。
設備や車両を買う前にご相談ください
助成金は、申請や交付決定より前に契約・発注・購入・支払い等を行うと、対象にならない場合があります。
「この設備を買いたい」「この車を入れ替えたい」という段階で、契約前に対象制度を確認することが重要です。
13.よくある質問
Q.業務改善助成金が対象外でした。他に設備投資に使える助成金はありますか?
A. 条件を満たせば、働き方改革推進支援助成金を検討できる可能性があります。業務改善助成金とは要件が異なるため、「業務改善助成金がダメ=すべての助成金がダメ」ではありません。
Q.ハイエースやトラックの購入にも助成金を使えますか?
A. 働き方改革推進支援助成金では、商用バンやトラック等について、導入によって労働時間の短縮や生産性向上につながるなど、各種要件を満たす場合に対象となる可能性があります。
Q.業務改善助成金の賃上げ対象者に条件はありますか?
A. 令和8年度は、賃上げ対象者について原則として雇用保険の被保険者であること、雇入れから6か月を経過していることが重要です。
Q.石川県の2026年度最低賃金はいくらですか?
A. 石川労働局の審議会では、現在の1,054円から59円引き上げ、時給1,113円とするよう答申しました。新しい最低賃金は2026年10月3日から適用予定です。
Q.最低賃金の改定に合わせた賃上げでも申請できますか?
A. 最低賃金改定日の1日でも前の賃上げであれば、申請できる可能性があります。ただし、申請、交付決定、賃上げの順番や期限を守る必要があります。
Q.申請前に賃上げしてもよいですか?
A. 申請前に実施した賃上げは、原則として対象になりません。実施前に申請スケジュールをご確認ください。
Q.申請後、すぐに設備を注文してよいですか?
A. 交付決定前の発注、契約、納品、支払いは避けてください。交付決定後に設備を導入する必要があります。
Q.パソコンは対象になりますか?
A. 原則として、対象外です。ただし、物価高騰等の特例要件を満たす場合は、新規導入が対象となる可能性があります。
Q.月給制の従業員も確認が必要ですか?
A. 必要です。月給を所定労働時間で時給換算し、最低賃金を下回っていないか確認します。
14.まとめ|業務改善助成金が難しくても、そこで終わらせない
2026年度、石川県の最低賃金は1,113円へ引き上げられる見込みです。
最低賃金の大幅な引上げは企業にとって負担ですが、賃上げと設備投資を同時に行う会社は、業務改善助成金を活用できる可能性があります。
まず確認したい「業務改善助成金」のポイント
・事業場内最低賃金を50円以上引き上げる
・賃上げ対象者は原則として雇用保険の被保険者
・賃上げ対象者は原則として雇入れから6か月を経過している
・生産性向上につながる設備投資を行う
・設備の発注や契約は交付決定後
・申請受付開始前から準備しておく
ただし、ここで重要なのは、
「業務改善助成金が使えない」
=
「設備投資に使える助成金が何もない」ではありません。
最低賃金付近の従業員がいない、対象労働者の要件を満たさない、導入したい車両が業務改善助成金では難しい――。
そのような場合は、次に働き方改革推進支援助成金を確認してください。
特に、建設業・運送業・製造業・飲食業などで、車両や設備の導入によって作業時間・移動時間・残業時間を削減できる会社は、検討する価値があります。
おすすめの確認順序
STEP1 社内で一番低い賃金を確認する
STEP2 業務改善助成金の対象になるか確認する
STEP3 難しい場合は、働き方改革推進支援助成金を確認する
STEP4 導入したい設備・車両で何時間削減できるか整理する
STEP5 購入・契約前に専門家へ相談する
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当事務所では、事業場の状況や従業員の賃金、導入したい設備・車両等を確認したうえで、次の内容をサポートしています。
・業務改善助成金を使える可能性があるか
・賃上げ対象者が雇用保険加入・雇入れ6か月経過の要件を満たすか
・業務改善助成金が難しい場合、働き方改革推進支援助成金を検討できるか
・導入したい設備・車両が対象になり得るか
・事業場内最低賃金の確認
・賃金台帳、出勤簿、雇用契約書の確認
・申請スケジュールの作成
・申請書類の作成と提出代行
・実績報告までの継続支援
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参考情報
・石川労働局「石川県最低賃金」
・石川労働局「令和8年度 石川地方最低賃金審議会」
・厚生労働省「業務改善助成金」
・テレビ金沢報道「石川の最低賃金引上げに向けた議論」に基づき作成
※本記事は2026年8月7日時点の情報および公表資料等をもとに作成しています。
※助成金には予算、申請期限、交付決定、事業主・労働者・設備等に関する各種要件があります。
※助成金の支給を保証するものではありません。実際の申請では、厚生労働省・労働局の最新情報、最新の交付要綱・申請マニュアル等をご確認ください。
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