キャリアアップ助成金(正社員化コース)に見られる不支給事例と事前チェックポイント
しかし、弊社に代行申請を依頼されるお客様の中には、過去に自社で申請し、「要件を満たしていると思っていたのに不支給になってしまった」という経験をお持ちの会社様も多くいらっしゃいます。
本記事では、「正社員化コースで陥りやすい不支給事例と、適正な受給につなげるための重要ポイント」を徹底解説します。
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キャリアアップ助成金リーフレット(令和8年度版)/厚生労働省
キャリアアップ助成金パンフレット(令和8年度版)/厚生労働省
正社員化コースで不支給になる最大の原因は?
<事例1:賃金の「3%アップ」要件を、計算間違いや対象外手当で満たせていない>
正社員化コースの申請において、最も不支給になるケースが多いのが「賃金の3%アップ」の計算間違い、または対象外手当を含めて計算しているケースです。
正社員転換前の6ヶ月と、転換後の6ヶ月の賃金(※助成金の対象となる賃金項目)を比較し、確実に3%以上アップしている必要があります。
【対策】
ギリギリの3%アップで進めると、わずかな計算違いや労働時間の変動で要件を割り込むリスクがあります。余裕を持った賃金設計を行うことが適正な受給のための重要なポイントです。
また、精勤手当や住宅手当など、原則として3%アップの比較対象外となる手当を算出に含めてしまい、要件未達となるケースもあります。
固定残業代がある場合は、「固定残業代を含めない基本給等の部分」と「固定残業代を含めた総額」の両方で、適正に3%アップを満たしているかを確認する方が、助成金を受給できる可能性が高いです。
よくある不支給事例と具体的な対策
<事例2:正社員と非正規社員の「区分(処遇の違い)」が実態として明確でない>
正社員に転換する日の6ヶ月前の時点で、正社員と非正規社員の区分(就業規則上の適用条項や処遇の違い)が明確に分かれていることが非常に重要です。
【対策】
就業規則(賃金規程)上で区分が設けられていても、実態として処遇に違いがない場合、要件を満たしていないと判断される可能性があります。
例えば、「賞与の有無」で区分を設けている場合に、有期契約社員へも慣例的に賞与を支給してしまっていると、その区分が不明確とみなされる可能性があります。
このような場合には、実態としての働き方や責任の重さに合わせ、賞与以外の要素(基本給の体系、退職金の有無、役職手当の適用など)も含めて、客観的に確認できる形で処遇の差を明確にしておくことが求められます。
<事例3:労働条件通知書と雇用期間(通算6ヶ月)のズレ>
「転換前に通算6ヶ月以上の雇用」という要件の確認においては、実際の雇用開始日や雇用保険の加入日だけでなく、労働条件通知書(雇用契約書)に記載された雇用期間が重要です。
【対策】
例えば、雇用保険には10月1日から加入していても、労働条件通知書の契約期間が【10月3日】からとなっている場合、4月1日に正社員転換してしまうと「6ヶ月間」に2日足りず、要件未達で不支給となる可能性が高いです。
労働条件通知書の日付と、実際の転換日が、空白期間なく「連続して6ヶ月以上」雇用されているか(※)、カレンダー上で必ず確認してください。
(※転換日の前日までの雇用期間が、通算して6ヶ月以上あることが必要です。有期契約を更新している場合は、その期間が連続している必要があります。)
<事例4:正社員転換規定がある就業規則の労働基準監督署への届出漏れ>
助成金を利用するためには、正社員転換に関する規定を整備した就業規則を、原則として転換日までに労働基準監督署へ届け出ておく必要があります。(常時10人未満で届出義務がない場合を除く)
この手続きが適切に行われていない場合、不支給となるリスクが高まります。
【対策】
就業規則は作成・改定して終わりではなく、監督署への届出(受領印のある控え)があって初めて、効力を発揮します(常10人未満で届け出義務がない場合を除く)。
申請前の段階で、現在の就業規則の内容と、過去の届出履歴・提出履歴を必ず確認しておくことが重要です。
助成金申請における重要ポイント
1.タイムカード・賃金台帳・就業規則の「実態」を整合させる
労働局へ提出する出勤簿(タイムカード)や賃金台帳は、法令に基づき適正に記録され、かつ就業規則の内容(所定労働時間、残業代の計算方法など)と実態が一致している必要があります。
例えば、出勤簿の締め日と賃金台帳の計算期間が一致していない場合や、規則上の残業単価と実際の計算がズレている場合には、審査において厳しく確認されます。
また、特別手当など就業規則上の根拠が明確でない手当の支給は、追加の対応を求められる可能性があるため、全ての賃金項目について、事前に規定を整備し、実態に即した支給を行うことが重要です。
2.計画書の提出と就業規則改定の「正しい手順(時系列)」
助成金申請においては、手続きの順序(時系列)が非常に重要です。
原則として、以下の手順を守る必要があります。
① キャリアアップ計画書を提出し、受理される。
② 就業規則へ「正社員転換に関する規定」を整備(改定)し、労働基準監督署へ届け出る。
③ ①および②の完了後、対象者を正社員へ転換する。
この手順が前後している(例えば、規定ができる前に転換してしまった)場合は、助成金の対象とならない場合がございますので、ご注意ください。
3.年度替わりと個別事案に注意
助成金の審査においては、基本的な要件は全国共通ですが、個別事案の実態に応じて、追加の確認や資料提出、労務管理の運用体制の確認を求められる場合があります。
また、通常、年度替わり(4月以降)には制度の見直しや運用の変更が行われます。前年度までは問題なかった対応が、今年度は問題ありとされる、あるいは新たな書類を要求される可能性もあります。
そのため、申請時点での最新のQ&Aや運用状況について、事前に確認しておくことが重要です。
まとめ
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、要件が細かく複雑な制度ですが、
「法令を遵守した労務管理」「正規・非正規の区分の実態としての明確化」「時系列を踏まえた適正な手続き」を意識して準備を進めることで、受給につながる可能性が高くなります。
特に初めての申請においては、確認事項が多くなりがちです。
申請をご検討の企業様におかれましては、本記事でご紹介した事例を参考に、労務実態の確認、書類の整合性やスケジュール管理を意識しながら進めていくことが重要です。
ご相談について
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当事務所では、社労士として、
・助成金の適用可否の確認
・法令および実態に即した就業規則の作成、修正
・適正な申請書類の作成および手続きサポート
を行っております。
法令に則った適切な運用による受給をサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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